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2008年3月28日金曜日

文壇

野坂昭如

前に国語の問題(火垂るの墓)で、野坂の長回しの文体を「ためらいがちで迷いつつ」みたいな意味づけをしていて「ちげーだろ!」と思ったことがあった。
本人がいうには、「。」を打つと筆が止まってしまうからとのこと。
国語の問題は苦手だった。
ちなみに野坂は締め切り後にならないと書けない超遅筆だが、一旦書きはじめると、短期間に一気に仕上げてしまうらしい。

ダーウィン展

国立科学博物館


なぜか行ってみた
ゾウカメでかかった

2008年3月27日木曜日

思春期ポストモダン

斎藤環
幻冬舎新書。

西洋的自立「家出型」
日本的(儒教的)自立「親孝行型」

ポストモダンはほぼ出てこなかった。ひきこもりのおはなし

2008年3月26日水曜日

あのひと

三回目。

たけし短編小説集
心情表現が簡潔で、それが余韻につながる

2008年3月25日火曜日

2008年3月24日月曜日

ノーカントリー

スリル満点
音と光の強弱が映像に緊迫感を与えている。
趣としてはたけしの「その男、凶暴につき」に似ている

八日目の蝉

角田光代

ロードムービーの赴き
ユリイカみたいに疎外感とか何かから逃げる切迫感がよく出てる

三面記事のべた記事的。

2008年3月23日日曜日

合衆国再生−大いなる希望を抱い

バラク・オバマ

結局政策がわからない。
小泉は郵政改革とかあったけど、核となるようなものがない。
本書を読んでも理想論が目立ち具体的な解決策が出てこない。
逆にその抽象的であることがシンボルとして機能しているということか。

2008年3月21日金曜日

新釈走れメロス

森見


「桜の森〜」は作家としての切実な不安があらわれてた

2008年3月20日木曜日

ダウンバイロー

外人の演技を初めてうまいと思った
ラストシーンは詩を感じた

2008年3月19日水曜日

ゲーム的リアリズムの誕生

東浩紀

光文社内定のYSさんの文学論と同じことが書いてやった

2008年3月18日火曜日

「空気」の研究

山本七平
難しかった。

簡単にまとめると、
「空気」とは、都合の悪いものを見ないようにする暗黙の了解
水を差すとは過去の現実(通常性)を告げること


憲法問題はまさに「空気」に支配されていると言えよう

ちゅらさん8

ちくしょう
小津並にべたな娘の嫁入り。
堺正章に泣かされた

2008年3月17日月曜日

チェルフィッチュ「フリータイム」

この感性やばい
わかるすごく。
俺もしゃべるときカラダが自然に動いてしまうのだ。
舞台における観客に状況を説明する必要性の演劇。
前衛なので演劇界の本流にはなれないと思うが、これからもこの分野を開拓していってほしい。

2008年3月15日土曜日

偉大なる生活の冒険

五反田団。
台本、原作の小説もセットで購入。
前田司郎の演技のうまさに驚愕。
五反田団の世界観がようやくわかった。そしてはまった

2008年3月12日水曜日

佐竹君からの手紙サハリン篇

ビートたけしのギャグ小説。

どうしようもなくダメなネタを盛り込んでいる。
いわば、映画「みんな〜やってるか!」の小説バージョン。
しかし不発感がいなめない。

2008年3月7日金曜日

映画篇

金城一紀

映画がすごく好きなのが伝わってくる。
ただこの場合映画は娯楽だ。
村上龍「映画小説集」では映画は救いだった。
俺は村上派である。

2008年3月6日木曜日

私の男

構成に凝ってる。
確かに読みやすく、真相を深く知っていく過程でワクワクする。
しかし、テーマとの調和が取れていない気がした。
展開するにつれてわかっていく真相は重要なのか、枝葉末節を知ることに意味はあるのか。

白夜行

東野圭吾。
いやー面白かった。
800ページを超す大作であるが中弛みせず、どこを読んでも面白い。
連載ものだったようだ。
大衆文学でありながら人間の暗部を描くのは三浦綾子くらいしかしらない。

2008年2月29日金曜日

空中庭園

角田光代
機微を描くのがうまい
また六人の視点による多角的な現実認識の手法はさりげなく、時に残酷で興味深い
面白かったよー

(追記)
郊外のショッピングセンターが舞台だった。
ちょうど最近、あきる野市の近くにショッピングモールができたので行ってみた。
遠くを見渡せば山ばかり、土地が余ってだだっぴろいっていうだけの郊外。
車で走ってると、ドカンと目に飛び込んできたサティ。
でかでかと屹立する圧倒的なでかさ、
びびった。
スタバが、でかい本屋が、ツタヤが、そしてなんと映画館がこんな田舎に。
駐車場もでかすぎる。
小王国といったところ。
あきる野市役所よりもでかいぞ。
資本主義の怪物だ。


最近、私の実家の近くのコンビニがつぶれてしまいました。
昔からよく行った本屋もよくわからないリサイクルショップになっていました。
駅から実家までの道で通る商店街もさびれています。
私の街に過疎化が迫っているということでしょうか。

2008年2月28日木曜日

2008年2月27日水曜日

鈍感力

渡辺淳一

くだらねえ
品格本の裏バージョン

ホームレス中学生

田村裕

文章は下手だけど、逆にその素人っぽさがこの作品のアクセントとなっている。
なるほど泣かせる内容だ。

2008年2月25日月曜日

天璋院篤姫(上)

宮尾登美子


大河ドラマ原作。

歴史小説は司馬に読み慣れてしまったのでエライ読みづらかった。
特に主人公を中心に主観的に語られる文体に馴染めない。
そして篤姫そのものに魅力を感じない。
時代の既得権益を守ろうとする保守的で受動的な優等生であろうとする。
そんな制度に守られているやつなんて官僚と同じじゃないか。

2008年2月24日日曜日

スウィーニートッド

どうしたティムバートン。

いいファンタジー(詩的な)を作る人って、心の奥底に澱がたまってるもんなのか。
詩人だと谷川俊太郎さん。
その澱がこの作品。

働く気持ちに火をつける

齋藤孝。

齋藤孝は馬鹿だけど元気がでました。
同じことを言い換え、繰り返すのは教育者たるゆえか。
文章だとくどく感じてしまうのも事実。
モノマネでしゃべるのネタが増えました。

編集者という病い

見城徹

感動した。
最後の、痛みのないところに前進はない、が心に響きわたる。
俺も仕事に生きるしかない。
まずは仕事をくれ。
いや闘い勝ちとらねば

2008年2月18日月曜日

国家の罠

佐藤優

久しぶりに知的好奇心を煽る本に出会った。
今更、宗男かよ、みたいな気持ちで最初は億劫さもあったが、それは読んでるうちに払拭。
ことの真相を述べていくスリリングな展開、それに対する透徹した分析、そして宗男事件を歴史に組み込むあたり、頭の回転のよさが抜群に漂っている。
著者自身の言葉を借りれば「地アタマがいい」という表現になる。
いかにいままで自分が雰囲気でものを判断、いや決め付けていたかを思い知らされる。
正しい情報を得ずに、週刊誌やワイドショーでの情報ごときに振り回されていた。
だからといってもちろんこの本に述べられていることが全て真実だとは思ってはならないが、どっちが正しいなんて所詮、後世の人間が決めることだ。
そのことを思い知らされる。
確かに歴史を紐解けば、このようなことだらけではないか。
もっと真剣に歴史を学ばなければ。

しかしながら、今までライブドアや村上ファンド事件などの特捜事件にひっかかるものがあったのだが、それがなんだか気づいた。
本の言葉を借りれば「時代にけじめをつけたのだ」
検察といえど、所詮は庶民目線。
大衆受けする解決方法を目指したにすぎない。

(追記)
ただ気になったこと。
作品中、北方領土返還がなぜ日本の国益かということに対して全く言及していない。
ビートたけしは「あんなもんくれてやれ」といっていたが、確かに北方領土が返ってきたところで経済水域が拡張するくらいで、なぜ筆者がそこまで固執したかが見えてこない。
結局、外交というゲームを楽しむためにやっていたのかとも思えてしまうことは確か。

2008年2月13日水曜日

乳と卵

川上未映子。
138回芥川賞受賞作。


生理の描写が男である私には新鮮だった。
ラストはなかなかどうして演劇的。
最初はさっぱり文が入ってこなかった。

2008年2月9日土曜日

鼠穴

立川談志。

この鼠穴こそ談志の真骨頂の気がする。
のっけからバンバン飛ばしていく。
月並みな表現ではあるがノッてる。
腹黒そうな狸おやじがはまりにはまってる。
腹を明かさないしたたかさ。
素直な弟。
何が正しいなんてことはいわない。
ただ描写し、解釈の余地を存分に残す奥深さ。

2008年2月8日金曜日

女性の品格

坂東眞理子。
帯には240万部突破とある。
2006年の「国家の品格」に続き、2007年版「品格」本のベストセラー。

つっこむとこが多すぎて笑ってしまった。
その意味では面白かった。この本は難しい顔して読むべきものではないと思う。優等生が真面目に作文を書いたのを、「そうだねその通りお嬢さん、現実はそうはいかないけどね。でもその気持ちは大切にね。一生懸命書けました。まる」という程度のもの。

本当に品格がある人は品格うんぬんについて語らないと思う。

2008年2月6日水曜日

冬は眠い

今日、早稲田松竹に行った。
三谷幸喜が大好きだというビリー・ワイルダーの映画を観るためだ。
「アパートの鍵貸します」「お熱いのがお好き」の二本立てだ。
両方とも昔観たはずだが、アパートの鍵のほうは内容を失念していた。
一番前の右側に陣取る。
前に青山真治特集を見に来て感動したことを思い出す。
映画が始まった。

寝てしまった。
両方とも冒頭と最後の「the end」だけ起きた。
途中マリリンモンローの声が聞こえてきた。
とてもセクシーだと思った。

2008年2月2日土曜日

どろんこ先生

手塚治虫。
短編三つ。
どろんこ先生は久々にいいキャラだ。人良さそうなのに昔は悪かった感じをさらりと出す。いい先生だ

2008年1月30日水曜日

くろい宇宙線

手塚治虫。
短編四つ。
どうした、手塚。

AV女優2

永澤光雄。
AV女優へのインタビュー集。
大体、家庭不和、虐待、援助交際などと画一的なパターン。
文章がぱっとしないこともありあきてしまった。

2008年1月28日月曜日

恋とはどういうものかしら?

岡崎京子。
恋の短編集。
オチがなく不発なモノがものが多かった気が。
「ヘルタースケルター」よりも痛い女の子が好きそうな内容。

2008年1月20日日曜日

運命じゃない人

内田けんじ監督

無名監督だが面白かった。
PPF(ぴあフィルムフェスティバル)のスカラシップ(助成金?)でつくった作品という。

MU『愛の続き/その他短編』Bパート

2008年1月19日土曜日

悪意

東野圭吾。
面白すぎる

転々

@渋谷シネカノン
三木聡監督。

脱力系コメディ。
ストーリーはあってないようなもの。
散歩を中心に展開する。

端役・エキストラたちが張り切りすぎていてやだった。
無駄なカットが多い。
ボケそうなとこでボケない、不発感。
やはりたけしの「みんな~やってるか!」はコメディの名作だと思った。
あれほどくだらなく際限なくボケまくってる映画は他にはない。
とはいえこの「転々」も別につまらなくはない。
いくつか面白いギャグがあったが忘れた。
いろいろつっこみどころが見えてストレス発散になった。

2008年1月18日金曜日

平凡王

高橋源一郎エッセイ
スラスラ読んでスラスラ内容を忘れる

2008年1月17日木曜日

ばるばら(上下)完結

手塚治虫。
耽美主義の流行作家と魔女的な娘ばるぼらの話。


これは失敗作ではなかろうか。
伏線の処理がなされていなかったり展開が不自然。
テーマも拡散している。
70年代の作品だから手塚のスランプ期になるのか。
んなの作品を解説で褒めようとしている藤川某って野郎はクズ野郎だ

小さなスナック

ナンシー関とリリー・フランキーの対談。
よくもわるくも四方山話。

2008年1月14日月曜日

くっすん大黒

町田康デビュー作。
音読したら息切れしそうな文体。
パンクというより落語に近い世界観。
じゃあ落語でやれよってことなので文学でやる必要性を感じない。

2008年1月9日水曜日

キッズ・リターン

TAKESHIS’

北野武。
わからん。
口うるさく束縛する岸本加代子の女性像ってのはようするに「母親」。
ちょっと頭なさそうで、キャピキャピ甘えてそばにいつもいる京野ことみの女性像は「恋人(愛人)」
ピエロの意味はなんだ、三輪明宏の意味は何だ、ラーメン屋の意味はなんだ。
結局夢ばっかりで最後は撃ち合いのシーンに回帰するってことは現実はアレだけだったのか。
うーん、わからない。

2008年1月2日水曜日

異形

北野武。
一人称が『オレ』
ビートたけしは『オイラ』

2008年1月1日火曜日

2007年12月31日月曜日

たけしの死ぬための生き方

事故直後のエッセイ

武がたけしを殺す理由

渋谷陽一のインタビュー術がすばらしい

たけしが言いづらそうなことをバンバン聞いていく

3-4x10 月

北野武第二回監督作品。
かなり暴力的。
しかしながら不謹慎にも笑ってしまった。
ここで笑ってしまう俺はやはり歪んでるのだろうか。
結局は主人公が、野球場の便所中で見ていた夢みたいな、夢オチならぬ糞オチ。
正直、ストーリーはあってないようなもの。
うっすらと感じたのは夢の中では日常での暴力性を徹底的にやってみるみたいなテーマなのかだと。
だから共感したのかな。


製作協力に山田洋行ライトビジョンってあったけど、防衛省の癒着企業とは関係あるのかな

卒論

『キッズ・リターン』に絞ってやるべきと考える。
俺が一番はまった映画だ。
あとはキタノブルー。
この映像美。
美しいものは飽きない。
だからこの映画を本当に数え切れないくらい観たし、サントラを聞いては奮起する。
いままでは壮大なテーマでやろうとして身動きができんかった。
立ち位置を決めてそこから掘り下げていく。
文章を書くときに大事なこと。
誰に向けて書くのか。
卒論なんて所詮は担当教授くらいしか見ないんだから、自分がどれだけ没頭するかが問題で、万人受けするように上手く書く必要なんてさらさらない。
要は書きやすいテーマでさっさと終わらせてしまおうということ。
妥協だ。
でもいいや。

2007年12月30日日曜日

増量・誰も知らない名言集

リリーフランキー。
文章うまいな、自然体だし

ソナチネ

北野武監督。
うん、ようやくこの映画が理解できてきた。
とはいっても、本で読んだ解説とかの通りに解釈しようとしているだけなのかもしれないけど。
予め頭の中で、この作品に漂う厭世観、死を象徴する海、その淵である砂浜でのヤクザ達の戯れという偏見かもしれない色眼鏡をかけてみればなるほど確かにそういう風に受け取れる。
そしてこの「ソナチネ」というタイトル。
よくわからんがピアノ曲で「小品」といったような意味。
派手で晴れ晴れしいアクションギャング映画のミクロバージョン、いってみれば個人としてのヤクザを丁寧に描いたのがこの作品なのではないだろうか。
たけし映画というものは見れば見るほど深さが出てくる、夏目漱石の作品のような存在だ。

2007年12月28日金曜日

ライムライト

@新宿ガーデンシネマ

爆笑の太田も大絶賛する映画だが、イマイチ好きになれない。
セリフがくさいと感じてしまうのと、舞台に立つチャップリン(カルヴェロ)の笑顔が不気味で嫌悪感を抱いてしまう。
うーん、なんかインチキくさく思っちゃうんだよな。
あと舞台袖で急に足が動かなくなったテリーを励ますシーンがあるが、あんな大声出しては客に聞こえてしまうと思う。
まあ芝居のウソで、どうでもいいことなのだろうが。

生きる

北野武。
ロッキングオン刊行。

2007年12月27日木曜日

ポケットに名言を

寺山修司。
寺山の好きな古今東西の名言集。
寺山のメモをそのまま本にした印象。
古典的な名言より、間に挟まれる寺山の文章のほうがぐっとくる。

みんな〜やってるか!

ビートたけし監督。
気分的に凹んでるときに見たのだが、かなり笑った。向田邦子ではないが、浮気をされても腹は減る。
人間とは不思議なもんだ。

まさに脱力系で作りこんだコメディーの趣。
へたうまってやっちゃ。
主演ダンカンの雰囲気が岩藤さんに似てたぞ。
駄作って扱われ方を世間ではしているが、俺は胸を張って名作といいたい。

ベストギャグは「Oh my 親鸞!」

2007年12月25日火曜日

恋空

@立川CINEMA CITY2

今年出版界を席巻したケータイ小説の映画版。
よりによってクリスマスなのでカップルだらけ。
どうせこの後セックスすんだろ。
泣きゃかわいいと思ってんだろ。
自己陶酔野郎の、ゲス野郎め。
けなしてやろうと意気込んで一人で乗り込んでる俺は孤立無援。
上等だ、この野郎。
てか何をしているのだろうか俺は。
結局、風潮に流されているだけなのではないか。

意外と飽きずに観てしまったが、あざとい(例えば、レイプ、若年での妊娠、流産、結婚、不治の病とかの使い方)。

セカチューの二番煎じというかああいう系統。
当然、多くの女の子は涙。
悔しいから劇団仙人で一回くらいこういうのやって客を泣かし心の底から馬鹿にしてやりたい

キッズリターン

北野映画、6作目。
確か今年の6月頃ハマってた。
サントラは今だによく聞く。
なんといってもラストがかっこいいんだ。
そしてキタノブルー。
結局挫折してしまうわけだけどそこに変な感傷とか哀愁ではなくて、次を見据えていく感じがとても好きだ。

ジムでサンドバッグ叩く音とか、殴る音とかか響いてかっこいいんだよな。
まぎれもない男の青春映画。

その男、凶暴につき

北野武第一回映画監督作品。
試行錯誤してます。
後々の北野映画の原型らしきものが垣間見える。
脚本が野沢尚なのだが、テレビドラマの脚本っぽくて(展開、キャラが類型的)、それを適度に壊しているのがキラリと光る。
しかしながら、まだ世界観を確立できておらず、どっちつかずの中途半端な出来になっているのではないか。
特典の劇場版予告を見たら「たけしさん、狂気ってなんですか?」っていうダサいナレーションが入ってて吹いてしまった。

夜は短し、恋せよ乙女

森見登美彦。
最近の作家の中で一番注目している。
今回は期待を膨らましすぎた。
黒髪の少女とその少女を恋する冴えない妄想大学生の二人をパラレルに描く。
なんとも劇画的なストーリ展開。
個人的には「太陽の塔」のほうが妄想が暴走していて良かった。
しかしながら、語彙の豊かさ、四字熟語を変幻自在に使いこなしつつすっとぼけた文体は健在。
この文体だけで森見は文学として成立すると思う。
本屋大賞2位、山本周五郎賞受賞していることもあり、真っ当なエンタメ小説で、一般ウケしそうな内容であった。
最後は絶対落としてくれるもんだと思っていたが(夢オチとか、全てをぶっ壊す形で)、裏切られた。

2007年12月18日火曜日

全思考

北野武。
淡々と語られる人生観、現代社会への苦言。

「全思考」というタイトルではあるが、基本は現代社会の批評めいたものが中心。
いつになく落ち着いたトーンで不吉ながら「遺言」のように感じた。

秘密

東野圭吾。
バス転落事故に巻き込まれたことよって娘に母の意識が宿る。そんな娘の顔をした母とその旦那との奇妙な生活を描く。
正統派でありながら展開のうまさて物語に興趣を添える圧倒的な筆力。

2007年12月16日日曜日

マンハッタン殺人ミステリー

ウッディアレン。
最新作のタロットに人間関係が似ていた。

マンハッタン

セリフが素晴らしい。
ウッディアレンはまさに現代のシェイクスピアって感じ。
日本語でやったらダメなんだろうが。

17歳の同棲役は文豪ヘミングウェイの孫娘だってさ。

アニーホール

以下三本、ウッディアレンのダイアンキートン主演作オールナイト上映@池袋、新・文芸座

途中、眠気に負けてしまった。
ちゃんとみたい

2007年12月14日金曜日

戦場のメリークリスマス

結局どういう話なんだ?
異文化に対立させての日本の精神。
戦争が招く狂気、暴力性。なんだかな〜。

2007年12月13日木曜日

イチロー北野武キャッチボール

イチローと北野武の超一流の二人の対談。
どっちも俺がどっぷりハマって尊敬している人だ。
両者とも頭の回転の速さ身体能力の高さを感じる。
運動神経抜群のクールガイ。

半落ち

横山秀夫著。
女子供にはうける感動作。
俺は嫌い。

2007年12月12日水曜日

羅生門 蜘蛛の糸 杜子春 外十八編

芥川龍之介の主要短編集(文芸春秋)。
特に地獄変が良かった。
芸術に全てを捧げる、悪魔に魂を渡した絵師の話。

2007年12月11日火曜日

2007年12月7日金曜日

サッドヴァケーション

展開が無理矢理くさかったな。
ユリイカが台なしだよ。
商業映画に傾いちゃった。

(追記)
青山真治はこの映画で女を描いたらしい。
うーん、それは感じなかった。
やはり、浅野忠信に焦点が当たっている。
結局、男を通した女像であって女性そのものを描いたとはいないだろう。

HANAーBI

編集がやばい。
伏線、重層的。

2007年12月6日木曜日

坂の上の雲(一)

司馬遼太郎。
再読。
明治の青年と心意気の大きさ、立身出世への希望が純粋でどこか牧歌的で魅力的だ。
欧米に負けまいと新たな国作りをする、その初期の試行錯誤やドタバタ感がほのぼのとしてて好き。

2007年12月4日火曜日

毎日がテレビの日

ロンバケとかのちょー売れっ子脚本家の北川悦吏子のエッセイ。
業界人気取りで調子に乗ってる(やっかみ?)
その辺の女子大生がそのまま大きくなった感じ。
俺は恋愛が話題の中心な女が好きになれない。
脚本家だが芸術家という雰囲気が全くなく、文章力のあるゲス野郎って印象。
ミクシとかで絵文字使いまくるタイプ。
フジテレビのドラマってこんなやつがみんな書いてるんだろうな。
やだやだ。

↑しばらく経ってから読み返したら、なんだこの偏見にみちた文は、とちょっと反省。
脚本家という職業に憧れている以上、嫉妬ってやつの何ものでもない。
いろいろとけなしてるけど、向田邦子賞取ったりしている(ということは当然久世さんが認めたってこと)のでウィキとかで調べてみた。
なんでもタモリが一番気に入っている世にも奇妙な物語の作品はこの人の脚本らしい。