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2010年10月1日金曜日

ProjectBUNGAKU太宰治

@八幡山

アフタートークに猪瀬副知事。
個人的な体験もあり私の中では亀井静香と戦う怖い人でしかなかったが、なごやかな雰囲気。
しきりに褒めていた。
最後には、東京はアート都市、演劇などの文化を掘り下げて発信する、とおっしゃってました。


(追記)
谷賢一の「太宰治」はすごかった。
谷さんは大学の先輩ですが、もはや谷賢一と呼び捨てで呼ぶほうが自然のように遠くの人になった気がしました。
太宰の「人間失格」のフレームを活かしつつ、自分の中で消化しつつ表現する。
素晴らしい作家です。
葉蔵にはいろんな表情が見えた。
僕自身であり、太宰であり、ハムレットであり、谷さんであった。
演じたコロさんという役者も、宝塚の男役にも出てきそうなクールさ、吉本新喜劇に出てきそうな滑稽さを併せもっており、演技力が凄まじい。
谷さんはまた濃密な空間を作り出す優れた演出家でもある。
初めの方の薄暗い中、葉蔵が写真取られまくって、フラッシュで眩しいところでいきなりぐいっと世界観に引きこまれた。
ブラックホールのような吸引力。
その前の幕間の時点での、そわそわ感からして魅力的だった。
がらっと雰囲気が変わって、役者がストレッチとかして、さあ始まるぞ、っていう緊張感と期待感。
作品自体に疾走感があって、それが破滅へと突っ走っていく感じが、怖いんだけれども心地良かった。

と、谷さんの作品ばかり賞賛したくなるが、4作品どれも個性があってよかった。
「HUMAN LOST」のイメージの連鎖による不気味な雰囲気、ぽちゃっという金魚鉢へ落とす音が効果的。
「燈籠」の日本語の美しさと繊細さ、一番セリフが染みこんでくる。
「ヴィヨンの妻」の雨のシーンのエロティックさとラストのセリフの強靭さ。
4作品のどれもズバッと人間を捉えて離さない作家という生き物の得体のしれない生命力を感じた。
またうまく有機的につながっているんだ。
あの構成力も松枝さんの人間性がなせる技か。
このプロジェクトは太宰作品を知る入門篇としてもおすすめできるし、演劇公演としても面白い。
こういうアートプロジェクトが東京にもっとあるといいと思うし、自分も東京都での行政職員として文化振興を志す身なので何らかの形で携われたらと思う。

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