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2010年11月28日日曜日

走ることについて語るときに僕の語ること

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走ることについて語るときに僕の語ること

村上春樹

走ることを媒介として自らを探求。
初めて職業作家である村上春樹そのものに触れた。

すっと腑に落ちた勉学についての考察を引用。
「小学校から大学にいたるまで、ごく一部を例外として、学校で強制的にやらされる勉強に、おおよそ興味が持てなかった。これはやらなくてはならないことなんだからと自分に言い聞かせて、ある程度のことはやってなんのか大学にまで進んだけれど、勉学を面白いと思ったことはほとんど一度もなかった。だから表に出せないようなひどい成績をとっていたわけでもないのだが、良い成績をとってほめられたとか、何かで一番になったとか、そういう晴れがましい記憶は一切ない。僕が勉強することに興味を覚えるようになったのは、所定の今日行くシステムをなんとかやり過ごしたあと、いわゆる「社会人」になってからである。自分が興味を持つ領域のものごとを、自分に合ったペースで、自分の好きな方法で追求していくと、知識や技術がきわめて効率的に身につくのだということがわかった。たとえば、翻訳技術にしても、そのようにして自己流で、いわば身銭を切りながらひとつひとつ身につけてきた。だから一応のかたちが身につくまで時間もかかったし、試行錯誤も重ねたが、そのぶん学んだことはそっくり身についた。」

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