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2007年4月9日月曜日

パンセとは

『パンセ』とは、「人間は考える葦である」という言葉でおなじみのパスカルの著書である。 ここで一つパスカルと『パンセ』についてまとめておこう。 以下、パスカルと『パンセ』についての記述は、かつてフジテレビの深夜に放送されていた「お厚いのがお好き?」の図書版を参考にした。

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そもそも『パンセ』とは、フランス語で「思想」、または「書き残されていた文章」という意味らしい。 敬虔なクリスチャンであったパスカルは神を信じない人を信仰の道へ導くための本を書こうとしていた。 しかし、本を書く前に死んでしまい、そのために残されていたメモを他人が上梓したものが『パンセ』である。
出版当時のタイトルは
「死後遺稿の中に発見された宗教及びその他の若干の問題についてのパスカル氏の思想(パンセ)」
という長ったらしいものであった。


『パンセ』は格言の宝庫である。
「クレオパトラの鼻がもう少し低かったら歴史は変わっていただろう」
「哲学をバカにすることが真の哲学である」
「人間はあらゆる職業に向いている。向いていないのは、部屋の中にじっとしているだけ」
などがある。


パスカルの賭け。
『パンセ』の中の一説にこんな言葉がある。

「神がいることに賭けたまえ」
パスカルが生きた17世紀は科学と理屈全盛であった。 そこで求められたのが神がいることの証明であった。 パスカルはデカルトのように科学的に神を証明することなどせず、「神がいることを証明することは無理」といい、続けて「神がいることに賭けたまえ」と呼びかけた。 パスカルは勝ち負けの確立を研究するためにルーレットを発明した人でもある。 その研究をもとに「勝ったらそう取り。負けても損はない」という究極の賭け方を探し出す。 そしてそれが神を信じることだとしたのである。
つまり、もし神がいれば永遠の幸福が手に入る。 しかしいなくても別に損はしないだろう、というわけである。以後、このような当たれば大きいが損はしないという賭け方を「パスカルの賭け」と呼ぶようになる。

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