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2013年3月25日月曜日

大増税時代を生き抜く共働きラクラク家計術

花輪陽子
是枝俊悟

私はあまりにも家計とか貯蓄とか将来設計とかお金のことに興味を持てない。
不感症なのか。
これでは一流のビジネスマンと張り合えないので、いっそのこと株でも投資信託でもやってやろうかと思った。

2013年3月16日土曜日

2013年3月14日木曜日

ミカドの肖像

猪瀬直樹
小学館文庫

再読。

かつて石原慎太郎から「博覧強記の調査魔」と呼ばれた猪瀬直樹。
そのとおりで、疑問的を徹底して洗い出し、膨大な情報をかき集めている。
ただ、ジャーナリストではなく「作家」を自らを規定する彼の特長は物語るところにある。
だからエンタメ的な要素もあって読みやすい(だって「ミカドの肖像」は約900ページもあるんだぜ)。
事実を積み上げてそれを元に「視えない制度」をあぶりだす。
いわば、暗黙知を可視化する能力が彼の最大の才能である。

そして、この「ミカドの肖像」。
この小説ともミステリとも現代日本論とも受けてとれる作品は、誰もが存在を感じながらも巧みに避けてきた戦後最大の「タブー」である天皇制に真正面から向き合い、謎解きを行う。
サブカルチャー全盛の今の時代だが、こうした大きな問題に一個人が真っ向から挑んでいる事自体が新鮮に映る(猪瀬流にいえば、森鷗外のような「家長」的な責任感か。)。
これは「団塊の世代」だからこそなせるワザなのであろうか。
我々の世代だと「前田敦子はキリストを超えた」みたいな本が出てくる次第である(猪瀬流にいえば、「放蕩息子」の文学)。

印象深かったのは、最後の方の文化人類学者の山口昌男の著作を引用しつつ解説している部分。
実は私、山口昌男氏について、先日亡くなった記事を読んで知ったばかりなのだが、「中心と周縁」論はとても興味深い。
それを踏まえ、天皇制も日本人の心の拠り所として空虚な中心を確保するために存在し、その空虚さゆえに周縁部をブラックホールのようにのみこむ(そして「和」をもたらす)という仮説は説得力のあるものであった。
作品では触れられていなかったが、さしずめ西武の「堤康次郎」は価値紊乱者(←この言葉好き)という点でトリックスターという役割を果たしたのだろう。

(250316追記)
欲望のメディア収録のあずまんの猪瀬直樹論を読んでのメモ。

猪瀬直樹の仕事の本質は(戦後日本独特の)権力構造の分析ではないだろうか。
世俗の問題→生活→小さな謎から出発。謎解きはミステリーの要素を持ち娯楽性を物語に与えている。
共時的な問題を通時的な問題として、歴史を縦横無尽に横断し材料をかき集め、不可視のシステムを共時性に軸足をおいて物語る。
権力構造に「仕掛け人」の存在を意識し、そのものを洗いざらい調べ上げて、イデオロギーや理念ではなく、どのようなアーキテクチャーを形成したかをあぶり出す。





2013年2月24日日曜日

2013年2月17日日曜日

2013年2月13日水曜日

横道世之介

吉田修一
文春文庫

先日この原作映画を見たこともあり、読む。
久しぶりに吉田修一を読んだ。
面白かった。


P402
大切に育てるということは「大切なもの」を与えてやるのではなく、その「大切なもの」を失った時にどうやってそれを乗り越えるのか、その強さを教えてやることなのではないか

2013年2月4日月曜日

横道世之介

試写会にて鑑賞
ストーリーが破綻しているきらいが、ないわけでもないが、これが結構面白かった。
脚本は五反田団の前田司郎。
前田ワールドが随所にあらわれていて、それがスパイスに。

2013年2月1日金曜日

財政健全化法と自治体運営

兼村高文
税務経理協会

「こんな本があったらな」と思ってた内容がずばり書いてあった。
夕張と財政健全化法。
決算カードその見方。
ただ、私の頭が悪く全然内容が理解できなかった。
もう一回チャレンジしよう。

2013年1月27日日曜日

復活 尾崎豊 YOKOHAMA ARENA 1991.5.20

LIVE映画。
立川シネマシティ2にて。
http://eiga.com/movie/77652/

この立川シネマシティという映画館は凄い。
まず、音響。
LIVEの臨場感に惚れ惚れ。
また、宣伝も少ない。
この映画に関してはゼロ。
ビートたけしが言っていたが、「NHKは受信料を払うからCMがない。なのに、なぜ映画は本編が始まる前に10分も宣伝を見せられなければならないのか」と。
全くそのとおりなのだが、それを実現しているこの映画館の経営者は立派である。

さて、映画。
尾崎のおそらく絶頂期はずぎて、精神的にボロボロだったはずの時期(友人だった現幻冬舎社長・見城徹の本「編集者という病」を読みかえそう)。
MCとか、それが如実に現れていた気がする。
実際このツアーが尾崎の生涯でもラストツアーになってしまったらしい。

だが、歌は素晴らしかった。
まるで自らのアイデンティティを確認するかのように。
特にラストの「シェリー」。
イントロ聞いただけで、私は泣いてしまった。鳥肌が立った。

夕張炭鉱節

戸田れい子
晶文社

フォト・ドキュメンタリー

2013年1月25日金曜日

おみくじ三回ひく理論

おみくじひいたら、今年は大吉であった。
ちなみに二つ。

最初のは佐賀県武雄市の武雄神社にて。二回ひいたら、大吉が出た。
二つ目は福岡県の太宰府にて。こちらは三回ひいたら、大吉が出た。

経験則上、おみくじは三回ひけば大吉が出る。
世の中、一回だけ派の人が多いみたいだが、私の考えでは吉は積み上げ式である。
努力可能なのだ。


イメージ的には吉二つで中吉、中吉と末吉足せば大吉、と同じくらいの威力を持つと思っている。
かのヤンキースのイチローも打率よりもヒット数にこだわるとおっしゃっている。
その理由は、打席に立つことを積極的になるため、とのこと。
打席に立てば立つほど、ヒットを打つ機会が多くなる。
打率は上がったり下がったりするので、時には打席に立たないほうがいいこともある。
ただ、バッターというのは打席に立って打つのが仕事。
また野球選手になったというのも打つことが楽しくて仕方なかったというのがその原点だろう。
そういう本来的なあり方でいられるためには打席に立つことに積極的である必要がある。


おみくじも同じ。
何度もひけばそれだけ、こつこつと吉は積み上げられていく。
ついていないことを誰かのせいにしないだろうか?
それは間違いである。
常に幸福を求めようとすること、そのために努力し続けることが結果的に幸福を呼び込む。
何事も積み上げて行くことが大切なのだ。


ーーー

なんてことを真剣に語りだしたら終わりだと思う次第です。

2013年1月20日日曜日

自民党で選挙と議員をやりました

山内和彦
角川SSC新書

日本の選挙構造が候補者の視点からわかり、面白かった。
この模様をドキュメンタリーにしている想田監督の「選挙」という映画もみよう。

霞が関から日本を変える

プロジェクトK
マイナビ新書

2013年1月18日金曜日

ガールズトークしたい

ガールズトークしたい。

ちなみに私のスペック。
食べものに全く興味が無い。
おしゃれなお店が苦手。
少食。
野菜嫌い。
お菓子嫌い。
甘いもの苦手。
無口。
一人で本読んでいるのが好き。
人見知り。
飲み会ではビールしか飲まない。
飲み会でまずフライドポテトを頼み、満腹になる。
旅行が嫌い。
団体行動が苦手。
予備校生みたいなファッションしてる。

だから、ガールズトークしたい。

2013年1月14日月曜日

力弱い市長の力強い地方行政

樋渡啓祐
再読。


タイトルはあいまい。

レミゼラブル

立川シネマシティにて。

立川シネマシティは音響設備がものすごくよかった。
今度、尾崎豊のライブの映画をやるらしいので見に行こう。
シェリーで泣こう。

レミゼラブル自体について。
なぜ、私はミュージカルに入り込めないのだろう。
そんなことばかり考えてしまった。

64 ロクヨン

横山秀夫

Kindleにて。

2013年1月1日火曜日

週末起業サバイバル

藤井孝一
ちくま新書

紅白歌合戦

ここ数年来かつてないほどに暇をして、久しぶりに紅白歌合戦を見て過ごす年末。
ちなみに明日の夜からはLAに行くので、荷造りもしなければならないのだが、寒くてどうもやる気が起きない。

さて、紅白歌合戦。
何といっても注目はももクロ。
にわかファンで申し訳ないのだが、とにかく何か感動してしまった。
おめでとう、紅白出場。
その後も見続けて、
YUIが活動停止と知り「いい歌を歌うのに惜しいね」と思ったり、
久しぶりの綾香に「髪が短くなってる」とか思ったり、
かと思えば歌舞伎の亀治郎が名前が変わっていたり、
香川照之が中車として登場したりしてとにかく驚き、
きゃりーぱみゅぱみゅのこれぞ「ファッションモンスター」という衣装に拍手し、
AKBの人数の多さに兵馬俑を感じ、
その後のコロッケのよくわからないモノマネに唖然としたりした。

そして、何と言っても美輪明宏だ。
「ヨイトマケの唄」。
見事だった。
歌というか一人芝居だった。
風景が見えた。
最初はあれ、テレビ消えたかな、と思うように暗転。
しばらくしてスポットライトがあたる。
少年の表情、かあちゃんの表情、そして成長した姿。
一人の人間の人生が垣間見えた。



美輪さんは黄色いロン毛で、オーラの泉のイメージ等で今では私の中で「奇人」ワクになっているが、
昔は三島由紀夫とも交流のあった(←意味深です)文化人。
当時の写真を見ると美男子そのものである。
その美男子ぶりがなんとも危うく妖艶な魅力であるのだが、
その姿が今日蘇った気がした。
そう、今日は黒髪の短髪になっていた。

この「ヨイトマケの唄」、言葉の問題から公共の場で放送されるのにも議論があったそうな。
表の世界に出てこない歌。
それを含めてのこの紅白の舞台。
美輪さんの中でも今までの色んな思いがあったことだろう。
心が震えました。


年があけてしましました。
あけましておめでとうございます。

2012年12月29日土曜日

2012年の総括

2日連続で終電を逃す。
家に帰ったらTSUTAYAへの返却期限を過ぎていたことに気づく今日このごろ。
ちなみに年始は友人(園原くん)とLAに旅行する。(1/1-7)


さて、2012年の総括。


大学時代の友人、園原くんとここ数年では一番会った。(ちなみに今日も会った)
8月にうなぎを食べながら、猪瀬直樹「ミカドの肖像」に出てくるデュオミカド、ミカドゲームについて、熱く語り合ったのがハイライト。
11月の富士山マラソンで負けたのが悔しい。
28歳の誕生日を迎えて、「いつも言ってますが今年こそは結婚します」と宣言していたが、まだ結婚はしないで欲しい。(老婆心ながら、クルマの借金を返してからにしてからがいいと思う)
あと、いつも合コン用に仕入れたと思しき知識を得意げに披露するのはやめて欲しい。

フルマラソンは2回出場。
2回とも4時間20分。
2011年東京マラソンの5時間18分からはタイムが大幅に縮まった。
ただ、どちらも歩いてしまったことが残念。

PCは計3台購入。
うち、ノートはMacBook Airを1月と8月に購入(メモリ4GB→8GBとハイスペックなものに更新した)。
映像編集に興味を持ち、何本か編集した。
編集用にPC(Mac mini)を購入。
映像編集について、とても興味をもっているが、まだまだ技術が足りない。
場数を踏んで、外に出せるようなドキュメンタリーを作りたい。

登山はほぼ毎月どこかへ。
毎回、カメラを片手に。
8月には八ヶ岳を訪問。
人生で初めて山小屋に泊まる。


以下、気になったもの。

【本】
①「世界が土曜の夜の夢なら~ヤンキーと精神分析」斎藤環
②「一般意思2.0」東浩紀

【映画】
①「アウトレイジ ビヨンド」北野武
2回観た。
観て以来ずっとアウトレイジごっこにハマっている。
北野映画はすごい、の一言。
初期から比べると物語性があって、かつセリフ量も膨大に。
有名俳優を起用していながら、物語としても面白い。
常に挑戦し続ける男、北野武。

②「演劇Ⅰ」「演劇Ⅱ」想田和弘
両方で6時間弱の大作。
ただし、全く飽きなかった。
ドキュメンタリーがこれほどまでに面白いと気づいたのはこの作品のおかげ。
中身的には演劇の稽古風景がたくさんあって、普段はなかなか表に出るものではないのでそれが興味深かった。
平田オリザの演出技術、哲学に感銘を受ける。

【音楽】
①「Marionette」BOOWY
②「BE MY BABY」COMPLEX
③「狩りから稲作へ」レキシ
旅行中に聴いていて、ハマった。

④「ワニとシャンプー」もも色クローバーZ
赤い人が好き。
ももクロは他の曲も好き。

【旅行】
①小笠原旅行
年末年始。
船で25時間半かかった。
帰りは海が荒れていてもっとかかってグロッキーになってずっと寝ていた。
小笠原では南島を小舟で訪問したが、大時化。
しがみついてないと海に落とされそうになる。
死ぬかと思った。

②徳島旅行
上勝町、美波町
(10月12日ー14日)
園原くんが面白かった。

【人物】
①樋渡啓祐(佐賀県市長)
実際に会ったわけではないが、取り組みにとても注目。
HPのFacebook化、図書館のTSUTAYAへの委託。

②そんしさん
大学の先輩。
現在はアフリカのブルキナファソという国にいらっしゃる。
帰国した時に「飲みにいこ」と声をかけてくださり、大変光栄。

③松村邦洋
歴史上の人物などをモノマネしながらやるオールナイトニッポンのネタが抜群に面白い。
もっと世間的にも評価されてもいいと思います。

【クルマ】
audi TT
園原くんが購入。
6月に買って、9月に売る(そして、借金だけが残った[らしい])。
売る直前に新潟まで旅行(妻有トリエンナーレ)。
高速道路での運転時の安定感に驚くばかり。


以下、月ごとに整理。

1月
MacBook Air11inch購入。

2月
夕張訪問。
飛行機が遅れたため、羽田からタクシーで自宅まで帰る。
3万7千円くらい。
次の日は何食わぬ顔で出勤。

3月
仕事が結構忙しかった(9月くらいまで続く)。
京都マラソン出場。
4時間20分。

4月
職場で後輩が2人出来た。

5月
宮城県山元町訪問。
被災地に初めて足を踏み入れる。

6月
特になし。

7月
40万のカメラを買う(CANON EOS 5D Mark III )
夕張訪問、本年2回目。

8月
園原くんが3万円返してくれた。
MacBook Air11inchを買い換える。
八ヶ岳登山。

9月
妻有トリエンナーレ@新潟

10月
徳島上勝町、美波町訪問。
旅中に28歳になる。

11月
富士山マラソン出場。
4時間20分。

12月
平田オリザの演劇を初めて観る。
Mac mini購入。

2012年12月24日月曜日

サンタクロース会議 アダルト編

青年団
@駒場アゴラ劇場。

初平田オリザ先生。
60分の長さもちょうど良く、とても面白かった。
だけど、サンタはいる!と思います。

いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校

ロロ。
@新宿眼科画廊

若い演劇集団ロロ。

自治体クライシス 赤字第三セクターとの闘い

伯野卓彦
講談社

NHK「クローズアップ現代」の放映の際の取材から生まれた本。
「第三セクター」という堅実なテーマだが非常に読み応えがあった。
やっぱりNHKの仕事、取材力は興味深い。

無知であること、数字に弱いこと、時代の雰囲気に流されることはとても怖いと思った。
とっつきづらいからこそ、早めにこの財政分野を勉強しておきたい。
そして、大局観を持てるようになりたい。

備忘メモ。
北海道赤平市
北海道芦別市
青森県大鰐市

地方自治体財政健全化法
(1実質赤字比率、2連結実質赤字比率、3実質公債費比率、4将来負担比率の4つの指標)

私が官僚一年目で知っておきたかったこと

久保田敬
かんき出版

陸前高田市副市長
前内閣府参事官補佐

やらなきゃゼロ!

鈴木直道
岩波ジュニア新書

2012年11月30日金曜日

血液型の性格判断について

毎日ブログ書く宣言をした翌日から休んでしまいました。

ジブリ、ディズニーと世間が好きなものとなかなか肌が合わない私であるが、特に困ってしまうのは血液型性格判断です。

みんな好きですよね。
嫌いな人に会ったことがありません。
どうなのかね、なんて人もそんなこといいながら結構好きな人が多いのではないでしょうか。
みんなお詳しいですよね。
何であんなに知ってるんでしょう。

実は私の母親もこの血液型性格信者で、子供の頃吹きこまれました。
「O型はおおざっぱだけれども、誰とも仲良くなれる」
「A型は神経質。細かい」
「B型は変わっている人が多い」
「AB型はA型とB型を足して、2で割ったような人」

今だと気づいてしまうのですが、さりげなく母親自身の血液型のO型が一番よい表現になってます。

あと、今も昔もなのですが、AB型のAとBが一緒になってるのがよくわかりません。
何でそこだけブレンドがあるのでしょうか。
だったらAO型もあってもいいのではないですか。
また、AB型はAとBの両方を兼ねるとかいいますが、混ぜたら別物になったりしないのでしょうか。
全然イメージできません。
いっそのことC型にしていただけないでしょうか。

あと世の中(日本では)、A型が多すぎませんか。
全然統一感、共通性がないんですけど。
血液型当てるときも、とりあえず「A型でしょ」って言っておけば、結構当たっちゃうではないですか。
「意外とA型でしょ?」
「そうなの、実は細かかったりして」
みたいな会話を何度聞いたことか。
全然「意外」ではないです。

ゴリラはB型しかいないって聞きましたが、本当ですか?
本当だったらA型の人はゴリラと仲悪いのですかね。
よくいいますよね、A型とB型は反りが合わないって。
ゴリラ研究で有名な京都大学の山極教授はその点、大丈夫なのですかね?
ゴリラと会話したりしてそうだから、もしやB型?


調べたことはありませんが、血液型性格判断の話が通じるのは日本と韓国だけみたいなことを聞いたことあります。
アメリカ行くと星座の性格判断とかみたいです。
天秤座だからどうのこうとか。
全然説得力ないですよね。


おわりに。
血液型性格判断の中身には興味は全くありませんが、なぜ人が血液型性格判断を信じるか、影響を受けるのかにはとても関心があります。
結局みんな自分のことがわからないのだと思います。
よりどころが欲しいのではないでしょうか。
ロールモデルとしての血液型性格。
自分に割り当てられることで、自然とその性格を演じるようになって、嘘が誠になる。
なんかその手のことを分析した本が読みたいです。
斎藤環氏とか書いていないでしょうか。

2012年11月27日火曜日

二人静


盛田隆二
光文社文庫


 初めて読む種類の小説だった。大筋では恋愛小説なのであろうが、介護やDVといった現代社会が抱える問題を詳細に描かれることで、甘ったるさはない。しかし、だからこそ、というべきか。自分がもしもその立場であったならば、という身につまされる思いにさせられる。誤解を恐れずにあえていえば、主人公の町田周吾と乾あかりを始めとしてどの人物も地味である。しかしながら、その「地味さ」こそが日常の究極のディティールなのではないか。退屈さと厄介さを兼ね備えた日常の諧調性。私もそうした日常に生きているからこそ、盛田氏の描く人物にも感情移入してしまうのであろう。
 また、人間は感情の生き物である。単調な日常でありながら、複雑に心は動く。しかし、盛田氏の目は顕微鏡のようである。心のひだを観察し、その動きまで描きだすほどに。

 日常は平和である。とはいえ、誰しも多かれ少なかれ悩みは抱えているものである。しかし、他人からみれば大したことはないのがまた常である。他人の悩みなんて、景色に過ぎないのである。

 盛田氏の小説の凄さとは、登場人物に人生を語らせるところである。それはまるでその本人になって記憶を呼び起こすように、時にははっきりと、時にはあいまいに、その人にとっての傷の存在を否が応にも感じさせるようにして語られる。「二人静」ではその点が周吾の父親はっきりと現れていて大変興味深かった。

 ストーリー展開も600ページを超える大作でありながら、片時も飽きることのない内容となっている。周吾とあかりに次々と振りかかる困難。それを格好良く乗り越えるのではなく、むしろ無様なままそのままに受け入れていくようにして物語は展開していく。その蓄積こそまさに我々の生きる日常そのものである。何かが起きても受け入れて慣らしていくしかない。

 ふと私自身についても考える。周吾が抱えることになった親の介護の問題だって、いつ自分の身に降りかかるかはわからない。しかし、その時に自分に何かできるかといえばいきなりできるわけではない。今から何かするかといえばするわけでもない。でも、もしも自分が介護をすることになったらどうするか。まずは自分でやるしかないのだろう。無様なままに。そのままに。

 今日も盛田氏の描く人物はこの日本のどこかで、息をして、日常生活を送っている。風景ではなく、傷を負ったひとりの人間として。そう思えてならない。そんな盛田氏の小説に拍手を送りたい。

Facebook 世界最大のSNSでビル・ゲイツにせまる男

映画「ソーシャルネットワーク」の原作

走ることについて語るとか恥かしいから、語らないで、でも歩くことについては語ってみようか。いやいや、寒い日が続きますね。

続く限り、毎日ブログを更新しようと思います。
ブロガーになります。


私の平日ですが、朝は5時に起床、6時前に家を出て、7時には新宿到着。
始業時間までカフェで1時間ほど朝活をするという極めて健康的な生活をしてます。
2年半以上そんな生活が続いてます。
飲んだ次の日もです。

こんな自分になるとは、学生時代の自分では考えられないことです。
特に大学生のときはよく寝ました。
友人宅では特によく寝ました。
大学生は赤ん坊の次によく寝る、とは森見登美彦の言葉ですが、全くそのとおりの生活をしていました。

ジョギングをするようになり、マラソンを走るようになったのも、学生時代にほとんど運動してないことが大きいです。
特に長距離とかは大っ嫌いでした。

つまりは今の自分はそれまでの人生の反動によるところが大きいのです。
昔の自分を思い出すと赤面してしまいます。
だからこそ、それを思い出さないようにするために反対のことをしているのだと思います。

ミーハーで恐縮なのですが、最近、といってもおとといからですが「ももいろクローバーZ」にハマっています。(特に赤の静岡出身の人が好きです)。
「ワニとシャンプー」って曲があります。
「終わらない終わらない全然終わらない。8月最終日の宿題 。適当にやらなきゃしょうがない。適当にやってもしょうがない」というような、要は夏休みが終わるというのに宿題が終わらないという曲です。
聞いていて、ふと思い出しまいました。
よくこの手のことはネタにもなったりするのでしょうが、私はあまり共感できません。
なぜなら、夏休みの宿題が終わらなくても全然焦っていなかったからです。
危機感を感じませんでした。
自分に正直すぎました。
よく怒られてました。
でも悪いとは思ってませんでした。
世間との距離感をうまくつかめていないガキでした。

大人になってからは時間や期限には厳しくなってます。
理由はたぶんこれです。
こういうのを成長というのでしょうか。
言わないと思います。

走ることについて語る時に僕の語ること。第一回富士山マラソン篇。

久しぶりに勢いだけで書く。


昨日(11月25日)、河口湖を会場とした「第一回富士山マラソン」に参加してきた。
「第一回」とあるが、元々も河口湖マラソンというマラソン大会があって、それがパワーアップして富士山マラソンとして出なおしたとのこと。
ちなみに私は今回で3回目のフルマラソン挑戦である。
東京マラソン、京都マラソンと挑戦してきた。

去年はその「河口湖マラソン」にエントリーしたものの、宿がとれず車内泊をしたこともあって、寒くて、やる気をなくし、そのまま温泉入って帰ってしまった。
今年はその反省も活かして、宿で泊まった。
しかしながら、宿をとれたのは忍野八海で有名な忍野のほうでちょっと離れているところである。

朝は5時に起床。
朝の気温はマイナス3度とかで、朝車のフロントガラスが凍っていた。
ちょっと心が折れた。
宿の人にお湯をかけてもらい氷を解かす。
会場へ向かう。
しかしながら、このパワーアップした今大会では、人を集めすぎて、大渋滞が発生していた。
まあ、間に合わなかったらそれを言い訳にして温泉に向かおう、と思っていたが、スタート直前15分くらい前に会場につき、荷物預けも何とか済ませると、息つく暇もなくスタート5分くらい前に。
あっという間にスタート。
8時15分である。
ゲストとして来ていた有森裕子のテンションの高さに驚く。
女松岡修造みたいになっていた。

そこからは淡々と走る。
走っている最中に思ったこと。
「・・・」
「富士山綺麗だな」
「紅葉がきれい。カメラ持ってくればよかった」
「走ってても寒い」
「(たまに立ち止まって撮影しているランナーに対して)すごいな」
「(ロッキーのテーマが頭の中で流れて)エイドリアーン!」
「つらいとは思わない」

15キロを過ぎたあたりから、足がちょこっと重くなる。
たぶん気のせいだ、と思い込むことにして、走り続ける。
17キロあたりから足の重みがやっぱり本当だと気づいてしまう。
つらくないもんね、とペースをキープする。(キロ5分10秒くらい。ちなみに走っている最中には時計は全く見ない)
20キロすぎたあたりから給水所で水を飲むふりをしてちょいちょい歩き始める。

(中略)

30キロを過ぎると、もうどこで歩いてやろうかな、くらいしか考えなくなる。
「なんで、走ってんだ」
「頑張らなくてもいいじゃないか」
「誰もどうせわからないんだし」
といって、「まあいいや」歩きだす。
あんまり歩くと足が余計に重くなるのですぐに走るようにするが、もう足の重さが変わっている。
そうして34キロあたりからはやたらと歩いてしまう。
1キロ走って、ちょっと歩こうとか思っているけども、1キロも走らずにすぐ歩く。

(中略)

そうしてゴール。
4時間20分54秒でした。

2012年11月19日月曜日

2012年10月18日木曜日

2012年10月11日木曜日

生涯現役社会のつくり方

横石知二
ソフトバンク新書


徳島県上勝町のお話。
地域振興は目的ではなく結果。やりたいことをやった結果が知識振興になったりする

2012年10月8日月曜日

伊豆ヶ岳(10/8)

8:30  西武秩父線正丸駅集合
正丸駅→馬頭観音堂→伊豆ヶ岳→古御岳→高畑山→天目指峠→子ノ権現→滝不動→吾野駅

トータル
11.8km
5時間30分

開始日時:2012-10-08 08:58:48
終了日時:2012-10-08 19:24:31

政治の修羅場

鈴木宗男

日本の現代政治しにおける人間関係の描写が生々しく抜群に面白い。
政治ってのは何も永田町だけでなく、会社や学校、PTAとか公園のママ友とか、人間関係があるところではどこにでも存在する。

政治力っていうのは落とし所の付け方とか、人間関係における影響力を指すのではないかと思う。
誰でも関係あること。


この本を読んでいる時にちょうどヤクザの権力闘争映画「アウトレイジ ビヨンド」を見たが、まさに政治だった。
機微を汲み取れるかが勝負。
感性の頭脳ゲーム。
どちらでも重視されるのは仁義とカネ。

2012年10月7日日曜日

アウトレイジ ビヨンド

北野武監督
@立川シネマシティ

北野作品の初期の頃と比べるとかなりの台詞の量の多さ。
展開もスピーディでジェットコースターのよう。
面白かった。

2012年9月24日月曜日

2012年9月22日土曜日

2012年9月7日金曜日

世界が土曜の夜の夢なら ヤンキーと精神分析

斎藤環
角川書店


以下、雑感。
ネットで知って、気になって読んでみた。
新刊本でしかもハードカバーの本を買うのは自分にとっては珍しい。
その期待を裏切らないとても面白い本であった。
個人的には山本七平「日本人とユダヤ人」、阿部謹也「世間とは何か」、猪瀬直樹「ミカドの肖像」と並んで、日本人の思想を理解する上で手がかりになる本だと思った。

日本人に宿る、ヤンキー性。
結局、ヤンキー性という言葉については定義されないのだが、それこそがヤンキー性の特徴であったりもする。
学生時代の何気ない日常の風景、現象においてもヤンキー性を通して考えてみると、「ああ、なるほど」となる。
帯にもあるが、「やんちゃやってるけど、ガチで気合入っててハンパなく筋が通ってる」というのが、ヤンキー性の哲学。
ヤンキー先生とかEXILEとか白須次郎とかはたまた古事記に出てくるスサノヲとかを例にあてはめて分析。

よくある典型話の「昔、悪やってましたが、今は更生してます。世の中はクソッタレだけど、家族とか大切にしてガチで熱くアゲアゲで生きていこーぜ!」にもヤンキー性を見る。

僕は長渕剛が好きなのだが、本書では言及がなかった。
清原も出てこなかった。
斎藤環はどう分析するのだろう。
「アニキ」ってのも一つのヤンキー性のキーワードだと思う。
このことについて文庫化した時とか加筆されていたらいいな。

2012年8月14日火曜日

「猪瀬直樹 我が処女作を語る」18時30分~20時(於・日比谷図書館)

日本計画研究所主催・日比谷図書館文化館共催。
参加費3500円(『天皇の影法師』『昭和16年夏の敗戦』2冊代金含む)
http://hibiyal.jp/data/card.html?s=1&cno=1388


久しぶりに前のめりでメモを必死に取りながらの聴講。
大いに刺激された。

以下、メモ。
「天皇の影法師」は何度か文庫化されて廃刊となっては復活。
新潮文庫版のものでは解説を久世光彦が担当しているとのこと。
(あの向田邦子作品の演出家で私は大ファンだ)

平民宰相と呼ばれた原敬。
藩閥政治を脱し、「政党内閣」を樹立。
しかし、暗殺された。
そこから20年ほど、内閣は短命政権が続く。
現在も小泉内閣を除いては約一年ごとに変わる短命政権。
戦前と現在の類似性。

「単線路線のエリート」、これは原発問題の国会事故調査委員会報告書の文言(実はこれは委員長の黒川清氏の個人の言葉)。
戦争も今もこの問題が全てである。
官僚制はすなわち「秀才」が一番。テストの「点数」が一番。
秀才は意思決定をしない。
トーナメント型の出世構造が、天下りを有む。
すなわちとこぼれ落ちる人間のためのポストを用意することになり、それが天下りを生む。
官僚制の増殖期は戦前でいえば原敬以降であり、戦後は1960年〜70年にあたる。
戦前は軍部がその典型。
戦後は特殊法人。
特殊法人は虎ノ門にある。
日本の権力構造は霞が関、永田町、そして虎ノ門で成り立っている。

作家は「なぜどうして」という塊。
猪瀬さんもそうだし、石原都知事もそうである。
好奇心に年齢は関係ない。

役所は昨日の世界で動いている(昨日決めたことで動く)。
その打破のためには「プロジェクトをつくる」という発想が重要。
縦割りに横串を指す。
ないところから作るのが作家である。

戦争反対、原発反対、というだけでは意味が無い。
「なにが原因か」(軍隊を制御できなかった、原発のゴミをどうするか)という発想から入り、事実と向き合うことが大切。

昭和16年夏の敗戦

猪瀬直樹
中公文庫

再読。

2012年8月9日木曜日

世界で勝負する仕事術

竹内健
幻冬社新書

著者は元東芝マンで、フラッシュメモリの開発に携わる。
東大を経て、現中大理工学部教授。

2012年8月7日火曜日

4年前

ロンドンオリンピック。 
テレビでやっているとついみてしまう。
始まる前は全く興味はなかったものの、鍛えぬかれた肉体を持った人間が全力を注ぐ姿を観ることはやはり興味深い。

4年ごとに開催されるオリンピック。
4年という歳月は人を大きく変える。
私にとってもこの4年の変化は大きい。 

4年前。 北京オリンピックがテレビから流れていた。
私は神奈川から伊勢神宮へ自転車で向かっていた。
友人と二人で。
道中で立ち寄るスーパー銭湯や飲食店で北京オリンピックを見ていた。 

自転車といってもママチャリ。
神奈川から伊勢神宮まで距離にして400キロ。
真夏の日差しは強い。
2日目には肌が赤くなり、熱を持つようになった。
サドルも尻に食い込み、たまに立ち漕ぎをしなければならないくらいに痛んだ。
6日かけて伊勢神宮までたどり着いた。 



4年前。
私はとある出版社の最終面接まで進み、社長から「何か面白いこと話して」と言われ、思いっきりすべった(で、どこが面白いの?って返された)。
もちろん、落ちた。
これが最後の持ち駒だった。
先はなかった。
大学に残ったまま就職活動を行う就職浪人とも違い、私は大学はその春に既に卒業しており、身分は何もない。
お先真っ暗であった。 

自分が何をしたいのかもわからなかったし、就職における志望動機というのも、型にハマったものであって、どこか自分で自分に嘘をついている気がした。
しかし、これが大人になることだ、と思い込むことにしたが、どこか気持ちが入らない。
 とにかく本を読んで、時間をつぶしていた。
そうすると、今度は頭でっかちになってしまい「働くことはなにか」「なぜ生きるのか」「社会とはなにか」みたいなめんどくさいことばかり考えてしまうという悪循環。
「こりゃ、あかん。一区切りつけるためにも、肉体を酷使して考えないようにするぞ、しかもできるだけ遠くに行くぞ。」
ということで、思い立ったのが自転車でのお伊勢参りであった。
一人だと必ず挫折するので、友人を巻き込むことにした。 

そうして始まったお伊勢参りだが(出発は友人宅がある神奈川大和市)、 道中、何度も心が折れた。
友人(ゆうじ、という。以下、ゆうじ)が常に前を行き、私がそれについていくスタイル。 
私は尊敬する長渕剛「勇次」を歌い、自分を鼓舞し、ゆうじを励ますことで、ペダルを漕ぎ続けた。
海援隊の「♪ペダルを漕いで〜」というメロディが無限ループで頭の中で再生されていたのは秘密だ) 



最初の関門は箱根の山。
ここでは自転車から降りて、押し続けた。
静岡は長かった。
宿はない、野宿。
蚊取り線香をたいて寝た。
頭の近くでたいたので、けっこうむせた。

日に日に進む距離も伸びていき、名古屋に着く頃には一日100キロ走った。 
伊勢神宮に着いたのは6日目。
とりあえずほっとした。 

あれから4年。 状況は大きく変化したけれども、根本的なところはあまり大きく変わっていない。
確かなのは、もう二度と伊勢まではママチャリで行くもんか、という教訓ができたことだ。






【参考】ゆうじ


天皇の影法師

猪瀬直樹
朝日文庫

2012年7月23日月曜日

四度目の夕張訪問

先週末(7/20-22)、二泊三日で北海道夕張市を訪問した。
11人の仲間とともに。
財政破綻をした、あの夕張に、である。

仕事(研修)がきっかけで、夕張とは縁ができたわけだが、自腹を切った訪問は今回で三回目。
「どこかでメロン狩りできませんか?」と素朴に相談した相手が、なかなかの世話人であって、トントン拍子で農協とつないでくれたり、現地での交流に一役も二役も買ってくれて、こっちもついつい訪問する流れとなっている。

今回も交流の場があって、ジンギスカンパーティとして、バーベキュー風に行われた。
集まったのは30人くらい。
「何もない夕張になぜ、そんなにくるんですか?」との地元人の素朴な疑問には酔っ払った勢いもあったが、間髪入れずに「人に会うため」と即答した。

私はひねくれものなので、いわゆる観光は好きではない。
旅は好きだが、旅行は好きではない。
用意されている感動や妙に洗練された観光コースとかは大嫌い。
不便だったり、選択肢があまりないほうが性にあっている。

元々東京都にしか血縁、地縁がない私にとって、夕張は始めて地方で地縁のある街となった。
たまにだけれども、その土地に行けばその人がいて、東京にはないものがあって、むこうも自分たちにはないものを私やその仲間たちに感じてくれて、それを喜んでくれる。

うまく言い表すのは難しいが、安心感のある非日常とでもいうべきか。
夕張にいると、普段は感じない心地よさがある。
単なる旅行でもなく、観光でもなく、研修でもない。
一応、毎回何らかのボランティアを取り入れているので「自主研修」という形をとって訪問している。
今回は草刈りをボランティアとしてやった。
(この草刈りについて、何となく鎌もってヨイショヨイショと草を刈る姿を予想していたが、さにあらず。機会使って、バシバシガンガン草をなぎ倒し、はねっかえる草や草汁まみれになるとはつゆしらず。これぞカルチャーショックである。後遺症か、ボーボーに生えた草をみるとつい刈りたくなってしまう。)
あとは、夕張岳というそこそこキツい山に登山をしたり。

まだ帰ってきたばかりだが、次は何をしにいこうかな、とぼんやりと考えている。