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2010年10月14日木曜日

悪人

@イオンモール日の出

吉田修一小説の映画化。
犯人のおばあちゃんがマスコミに追い詰められてしょげてるとこで、バスの運転手が、「ばあちゃんは悪くない。しっかりせんと」みたいなことをいうとことか、小説自体に繊細な情感が出ていてとても好きな世界観である。
ただ、この作品はどうしようもないくらいのダサさとか、みじめさがないと悪人が悪人たる所以が弱くなってしまうと思う。
決してつまらなかったわけではないが、むしろ二時間楽しんで観たのだが、出来すぎているという感が否めなかった。
こういう田舎とか土着の話の巧者は西田尚美とか青山真治とかがいる。
彼らに共通するのは時間のゆったり感、淀みである。
自分も東京とはいえ、そう地方と変わらない田舎の市に住んでいるのでこの感じはよくわかる。
この永遠にも続きそうな諧調性に対する人間の反応、抵抗が作品を形作るのである。
悪人でも、スポーツカーで飛ばすスピードとの対比があればもっと良くなったと思う。
と、エラそうな事を申し上げましてすみません。
嫉妬してるだけかもしれません。


松尾スズキの悪質商法の業者は超リアル。
樹木希林のおばあちゃんもだか(寺内貫太郎一家の時もですが)。
このキャストで消費者啓発向けのDVD作れたらとても面白そうだ。

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